介護業界で積極的な導入が進められている介護シェアリングには、いくつかのメリットがある。
中でも大きなメリットとして挙げられるのが、分業体制による人材不足の解消である。
介護シェアリングとは文字通り食事の配膳や下膳、シーツ交換といった、介護で行う仕事を塊ごとに細分化して専任のスタッフをつける働き方のことをいう。
自分が担当する作業だけをこなせば良いので、職種によっては1日数時間程度の短い勤務で終了となるケースも少なくない。
これにより、従来のシステムでは難しいと言われていた、勤務時間が限定される主婦や夕方以降のアルバイトを希望する学生も積極的に雇えるようになる。

介護シェアリングは行う仕事が限定されているため、従来の1人で複数の業務を担当する働き方に比べて肉体的負担を大きく減らすことができるのが特徴だ。
負担の軽減は職場環境の改善だけでなく、重労働で多忙になりやすいといったイメージで敬遠していた人達の囲い込みという相乗効果も生まれやすくなる。

そのほかの、介護シェアリングの導入によって事業所側が得られるメリットがコストカットである。
分業体制で業務を細分化することは、一人ひとりのモチベーションを高めて作業効率を向上させる効果が期待できると言われている。
効率が上がれば短時間で作業を終わらせられるので、残業や休日出勤を無くして光熱費や手当の支給などの余分な出費を減らすことが可能になる。
コストカットで浮いた費用でサービスを充実させれば、利用者の満足度も上げられるようになるのだ。